Sakanaya_Taroh’s diary

ITテクノロジーから食べ物等のを日々綴ったブログ

力成化技(powertech) によるテラプローブ友好的買収についての私見

20時間前 powertech がテラプローブを子会社化するというニュースがリリースされた。

 

Power tech は紫光集団の出資を受けた後工程の台湾メーカーである。

中国ファンドの資本が入った紫光集団はNAND型メモリについてはサムスン、マイクロン等に並ぶ半導体メーカーだと思う。

この紫光集団は近年色々なメーカーに対して買収提案をしている。(この中には既出のマイクロンや産業再生機構ルネサスエレクトロニクスも含まれる)

 

中国は80、90年代の日本に遅れ半導体市場で覇者になろうと国策を打っていることは記憶に新しい。

 

ここまでが前置きだが、今回の友好的買収については私は以下のように考える。

メモリ半導体メーカーのマイクロンは昨年あまり業績が良くなかった印象を受ける。powertech はマイクロンのサプライヤーであるが、powertech はマイクロンの位置を目指しているのか?それとも垂直統合を図りコストダウンを図るのだろう。

※テラプローブは後工程のテスト工程を主事業としている。

 

またテラプローブにはもう一つウリがある。それはNEC技術を半導体に組み込んだ顔認証技術である。NECに顔認証技術は世界No.1を誇り、これを半導体に組み込んだメーカーはここしかない。

半導体組み込み顔認証であれば他のルネサスエレクトロニクス等の半導体メーカーも提供している。

 

テラプローブの顔認証組み込みチップの精度の高さと信頼性はSTマイクロが協業してプロダクトを市場に出していることからも理解できる。

 

私は技術の折り紙つきについてだけでなく、市場も追い風だと考える。日本では2020年に東京でオリンピックが開催される。

その際にテロ対策として様々なところで同技術は利用されるだろう。

加えてテラプローブは、ロボットホテルやロビ2など今後人口が減少していく日本の産業を支えるかもしれない技術を提供している。

 

これを踏まえて私は思う。

今回の買収は、友好的である。

少しでも早くキャッシュを手にしたいマイクロン。半導体市場の覇者となりたい紫光集団。そして世界No1の技術を東京五輪に提供したいpowertechとテラプローブ。

※テラプローブは割と借金が多めの企業。

 

そうであれば吸収合併では、日本のセキュリティに外資が入る事は難しいので、powertechはテラプローブを日本企業として実質的支配にとどめ、資金を投下し様々なところとの提携やアプリケーションへの展開を図るのではないだろうか?

 今後の動向に注目したい。

 

追記

誤字を訂正: 石➡︎力

ご指摘いただいた方、どうもありがとうございました。